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【JaSST’19】Tokyo1日目 セッションA2:Joel Montvelisky氏に聞く世界のテスト事情

2019/03/27

お久しぶりです!とのの@tonono2587です。
JaSST'19 Tokyo の1日目に参加してきました。
セッションA2に参加したので個人的にレポります。

参加セッション

「テストの現状調査レポートからテストの将来を考えてみよう~ Joel Montvelisky氏に聞く世界のテスト事情 ~」

JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSST'19 Tokyo-セッション概要

参加前の期待

  • 「世界のテスト事情」を知る機会がないので聞いてみたい!
  • テストの将来についても気になる
  • 翻訳がある安心感

セッション内容のメモ

予稿集p49〜とメモを見ながら簡単に振り返ります。

第一部:テストの現状調査2018レポートの紹介(日本語翻訳チーム)
第二部:世界のテスト動向、テストの将来(Joel Montvelisky氏)
第三部:パネルディスカッション ~Joelに聞いてみよう~

辰巳さんより:テストの現状調査2018レポートの紹介

  • State of Testing という、ソフトウェアテストに関する調査レポートがある
  • そのレポートの日本語翻訳チームがある
  • レポートに書かれている内容
     - 調査の回答者の分布(国とか職種(呼び方?)とか)
     - テストチームの位置づけ
     - テストプロセス(開発モデルや自動化の状況など)
      などなど
  • レポートのなかで、「スキルを磨くための知識の情報源」について、2018年は「やってみる」が1位だった。(前年度までは回答の選択肢になかったもの)

Joelさんより:世界のテスト動向、テストの将来

■テスト動向を知る ことについて

  • 普段大西洋の風向きなどは知る必要はないけれど、旅行に行くとか、
    飛行機・船で行くときなどにはうまくたどり着けるかどうか知るために、
    風向きなども知る必要がある。
  • 「テスト」をビルに例えると、わたしたちは同じビルで働いていて、
    たとえビルの中に居たとしても、風向きや雨が降ったりなど、外の様子は気になると思われる。
    それらと同じで、世界の動きは気になると思います。

  • よく聞かれるのは、「テストは死ぬのか?」とか「自動化で職は失われるか?」ということ

  • そんなことはないと思っていて、実際テスターは増え、テスターとしての職務期間も長くなっている
  • ひとつのプロジェクトあたりテスターが1人~5人とかで、1人・2人というところもよくある。
  • だんだんチームは小さくなっていっている

■どのようなテスト手法が使われているか について

  • スクリプトテスト」の回答割合が2018年に一時的に増加した
  • それはたぶんデベロッパーのためにテストケースをかかないといけないから、スクリプトテスト担当の人が増えている

■これから身につけておきたい新しいスキルについて

  • 技術的なスキル(自動化やホスティングなど)
  • ソフトスキル
     - コミュニケーションスキル
      →もっとも重要なスキルだと答えるテスターが多かった
      →一番難しいのは「人の話を聞くこと」
  • 手法に関する知識
  • お客様とのコミュニケーション
  • データ解析のスキル(今後入ってくるスキルになりそう)
  • おすすめなのは、コミュニティのメンバー同士でどのようなテストをしているかお互いに話して、学ぶこと
  • 調査には「将来どれだけ心配か?」という設問を設けているが、どちらかというと安心して仕事に取り組んでいる人が多い
  • やっぱりテスターが消滅することはなさそう
  • ただし、将来に対して変化していくことは必要

パネルディスカッション: ~Joelに聞いてみよう~

・役割の変化について
・組織の変化について
・技術の変化について

■テスト組織と品質組織の変化

  • 開発モデルにおいては、Agileがメインストリームになっている
  • 小さい単位でコンパクトな開発をする傾向が強い
  • バグの報告先が、独立した品質組織だったところからプロジェクトマネージャーへ変化している
  • 独立したテスト部門だけど、各プロジェクトへテスターが参加し、1~2週間のサイクルでまわしている。

[Q しつもん]
10~15年後には「独立した品質保証部門」は不要になっていくか??
(その部門マネージャの仕事は将来どうなるんだろう?)
[A こたえ]

  • 日本に限らずある問題だけど、地域によって進展度が違う
  • 企業は利益をあげなければいけない
  • 昔は、お客様へ納品し、納品したあとにバグがみつかるとコストがかさむから、という世界
  • いまはスピードをもって利益をあげなければならない これが鍵!
  • すべての環境に専門組織が必要になるわけではない
  • 外注で進めている会社なら、(大きい会社なら、)自社に持ち込むための専任チームはまだ必要

■テスターの役割の変化

[Q] (Webほどスピード感の必要ない、)ミッションクリティカルなシステムにおける10~15年後のテスターのロールの変化をどう考えますか?

[A]

  • それぞれの状況に合わせて、より効率的に、早く、やるにはどうしたらいいかを考える?
  • プロダクトを提供しているわけではなく、サービスを提供している集団である
  • サービスを提供するのは複雑で、ニーズがあるのか、またそれぞれのニーズに合わせてカスタムしていく必要がある
  • これからはよりよいテストの方法を考案していくことになりそう。
  • はやく、よく、安価にテストする方法を考えていかないといけないんじゃないか?
     →「忍者式テスト」をやってみています:探索的テストを毎日少しずつやる

  • 探索的テストは非常に優れたツールだが、大きなツールの一部を担っているにすぎない

  • 他のものとの組み合わせ

■テスト技術の変化

  • 開発スピードが上がっているが、テストがついていけてない
  • 他業種との協業

□希望/期待

  • テストにも高度な技術が必要であることを上位層が理解している
  • 当たり前の技術が当たり前に(探索的テストを知らないとかはなく、知っていることが当たり前になってほしい)
  • 東海地域の活発なコミュニティ活動

[Q] コミュニティ活動を知ってもらう、アンケートに回答してもらえるような 外へ向けたものにするにはどうしよう?

[A]

  • 経営陣はミラクルが大好き!外部のコンサルに説得されてしまう(ただし、みんな大失敗)
  • Agileがひろまったとき、「テスターがいらない」とは誰も言っていない。反対のことを言っていた
  • 「継続的なテスト」が必要。テストドリブン
  • 新しいものの価値を、知らない人に知ってもらうには…という話はにわとりたまご論争と同じになってしまう
  • 伝えたいときは、まず導入して見せるしかない
  • 自分自身がどういった環境に飛び込んでみる!
  • 事例を導入する

コロンブスは「東のルートがある」ことを発見した。それをどの国で説明しても、だれも信じてくれなかった。

最終的にコロンブスは実行(実現/実演?)した。それと同じことをやってもらいたい

Agileの考え方と同じで、失敗するならやってみてはやく失敗しろ という考え方

さいごにメッセージ

大きく変わっていく、と認識することが大切
日本は伝統的で、何かをするには非常に時間がかかっていたけど、いまの日本はそうではなさそう

目を見開いて分析をおこない,どういう変化が起きているのか、自分はどういう変化をおこさないといけないのか考えよう

変化を生もう!!

参加した感想

  • レポートがあることを初めて知った…!
  • 今日お話にあった内容以外も気になるのでちゃんと読んでみたいです。
  • やってみる!が大事
  • 翻訳めちゃくちゃわかりやすかったです
あとがき

すごくメモです…ねむいのもあるので後で読み返してこっそりなおしたりするかもしれません。
明日も参加できるのでがんばります!!
他のセッションについても"メモ"になってしまうかもですが上げたいです。