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【JaSST'19】Tokyo2日目 セッションB5:ゲームのテスト

どもどもー!とのの@tonono2587です。
引き続きJaSST'19 Tokyoのレポしていきます。

参加セッション

2019/03/28(2日目)
三銃士モデルを適応してみた! -Next Generation 次世代の挑戦-

JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSST'19 Tokyo-セッション概要

参加前の期待(気持ち)

  • ゲームのテストってなにしてるかわからん
  • 他の会社の方はどんなテストをしているのか知りたい
  • 自社テストのヒントにしたい

セッションのメモ

□三銃士モデルについて

”ゲームテストをする人がらくできるようにしたい” のがきっかけ

  • 世界観
  • コンテキスト
  • 実装 中心に「ユーザー感情」をおく

  • テスト観点を構造化する
     構造化するとやりやすい

  • テスト設計方法の提案
     組み合わせながら「設計していく」
  • テスト合否判定をユーザー観点を使って行う

テスト関心事
テスト観点
テスト値
テストフレーム
テストケース
→テスト手順

ゲームカテゴリごとに、お客さんが気にすることが違う

  • 観点・リスクから優先度づけして、アジャスト可能にしたい
  • まずは小さく!

Q&A

[Q]「ユーザー感情」の集め方は?
[A]
一般的に他と比べるとどうか?とか(最終的に数値化したいけど、)を組織ごとにまとめながらすすめていくのがよさそう
ペルソナを分けて考え、対象ごとのターゲットに合わせてわけたりなど

[Q]「保守の人」などのユーザー感情を考えるときは、中心を(保守のある意味"ユーザー"へ)置き換えたら出せるのでしょうか?
[A]
ここで指す「ユーザー」はエンドユーザーに近いので、保守性/メンテナンス性など技術的なところは”実装”のカテゴリに寄せるといいのでは?

ゲーム業界の○○テスト?!

品質管理グループ
→テストチームの管理などをしているところ

■ゲームテストの世界って?

取り組み(今回のセッション内容)のはじまりは「ゲームテスト設計の 国際標準化 したい!」ところから

ISO/IEO/IEEE TR 29119-10 Games Testing

これにつける付録とは?

  1. テストタイプ/テストレベル/テストフェーズ の体系化
    テストコンテナの作成??

  2. テスト観点の体系化?
    テストフレームの作成?

□ゴール
テストコンテナやテストフレームをつくって、ゲームテストを体系的にまとめる!

では、ゲームテストの”テストタイプ”ってなんだろう?

■研究会でやったこと

〇〇テストの洗い出し

  • プロモーションコードテスト:iOSアプリ限定、プロモーションコードを発行し、本番環境でテスト
  • コリジョンテスト:壁をすり抜けたりしないか
  • スキル検証
  • CBT(クローズドβテスト) などなど…

  • 「○○テスト」ってたくさんある

  • 他社でつかっている言葉で知らない言葉 があった

  • "おさわり会"

    • リリース前の新バージョンのアプリを(他プロジェクトの社員含め)社員がさわって確認する会。UI/UX
  • "乙女チェック"
    • 女性向けアプリを乙女の気持ちでテストする。ユーザー心理的に重大なバグがないかを探すためには乙女心を準備する!!

いろんな「○○テスト」がありました。

標準化への課題

  • ○○テストとは…の資料が社内に存在しない
  • 同じ会社でも認識が違うかも →自分の会社のテストについて、説明できるようにしよう!!

〇〇テストの分類

担当/担当部署・名称・目的…で分類していく
→テストにまつわる言葉が混在していて、整理が必要になった
(「○○テスト」はカテゴリAにもカテゴリBにも入れたい…)

○○テストの比較

「○○テスト」の名称、だれが、いつ、何を気にして、何を確認しているのか を確認することに

例)
- マスター差分チェック
マスターデータのダブルチェックのこと - 素材を確認するテスト 画像/3Dモデルなどの確認のこと

→次は 〇〇テスト を体系的にまとめてみよう!!

テストコンテナ

直近の取り組み
認識合わせが終わったので、テストコンテナをつくろう!!

コンテナ - 企画 - 開発 - クリエイティブ:素材制作チーム

などなど

  • テスト
  • 効率的な素材確認
    • 素材そのものの確認
    • 言語違い
    • 音割れ

他部署の内容がわからない… →連携していきたい

□テストフレームにいれたもの

  • 機能名
  • 条件、手順
  • 結果、アウトプット

Q&A

[Q]
「乙女チェック」について、うまくいく方法は?
どうやって乙女心をつけるのか?
[A]
表示崩れがただのバグなのに、乙女にとっては重大なバグ!=乙女心が足りない
→IPの勉強する時間をとって対策

[Q]
単語の違い、認識の齟齬は他社間だけではなく
外注の協力会社などとも合わないんじゃないか??
[A]
結局、認識合わせした

三銃士モデルを現場適用してみた!

【背景】

エンジニアレビュー済みのテスト項目なども終わって、フリーデバッグだけ、
というフェーズになって重大なバグが見つかり、リリースが伸びた
ということが(結構)あった

「フリーデバッグ」とは??
→仕様外の操作をしたりするテスト

課題解決

□解決のための動き

  • フリーデバッグの期間を伸ばす
  • フリーデバッグの期間が以前より早まった
  • テスターの増員

→でもこれだけではそこまで効果がなかった

□不具合を分析したところ…

  • 期待結果の記述があいまいだったので、OKで通っちゃっていた(そのためベテランしか発見できなかった不具合)
  • 機能の組み合わせが不十分だった(のでベテランしか)
  • 上流工程で予想しない操作をした(メインパスじゃない、特定のパス)(だったのでベテラン…)

□どうするか?

  • テスト手順書作成(実装):期待値の記述を徹底して対策する?
  • テスト観点組み合わせ(設計):十分に組み合わせて対策する?
  • テスト観点抽出:ベテランが出す?

→ベテランが対応する時間がない…

  • 上記をできるように人を育てる!

→やっぱり時間がない…???

人材育成が先か、教育方法が先か?

(にわとりたまご論争)

→じゃあテスト観点をマインドマップで整理したら??というアドバイスをもらった

□やってみた

「項目の粒度が作成者の力量に左右される」ことに対しては、
ベテラン作成者がマインドマップでまず観点を整理し、それを元に項目作成をおこなった

○よかった点

  • マインドマップを再利用できるようになった
    →機能ごとにメインブランチを切っていて、似た機能や改修などはそれをもとにちょっとなおせばすぐ使える

△注意点

  • マインドマップ」そのものに慣れてないと効果が出ない
    →結局なんなの?意味あるの?みたいに取られてしまう

((((((さわれるまでテストさせてもらえない状況をやめたい)))))))


Q&A

[Q]
ユーザー感情の閾値などを握っていく(組織内で納得して定めていく)コツは?
[A]
似たような事例をみて、こんな感じ、とコミュニケーションとっていく

[Q]
考えることはできても、それを実現できるスキル、人材はどうしたら?
スーパープレイ、このステージ○秒以内でクリアとか
[A]
技術・技能の話
別の観点での人材育成が要るのでは
ベテランの、技能面でのレベル感をみて、そこを目指すとか

感想

  • 認識合わせ大変そう
  • 認識合わせのお話から、どんなテスト(○○テスト)があるのかほんの少し知れた気がします。
  • 「乙女チェック」という強い言葉笑
  • ↑印象的でした。視点によって対応の優先度、重要度も変わるんだという話だと認識しました。たしかにそうだなぁ…
  • マインドマップすごくよさそう
  • (話すごく逸れるけど)やったことの記録とっておこうと思った

JaSSTレポはもうちょっとだけ続く見込みです。

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